トリプルケアラーみやびの日常

このブログは義理の祖父母の介護と子育てをするパート主婦の日常を書いたノンフィクションです。

エブリデイ唐揚げ

 「今夜も唐揚げやったわ」

って言う彼氏の家の夕食事情になぜもっと早く疑問を持たなかったの、私。

 

f:id:may_at:20180520215103p:image

 

30歳を過ぎて結婚を意識して付き合いだした彼氏は私の8歳年下で、幼い頃にシングルマザーだったお母さんを交通事故で亡くしていて、祖父母が親代わりになって育ててくれたという人でした。

お母さんが若い時に彼を出産したので、祖父母と言ってもまだ若くて、私の母と彼のおばあさんは5歳しか違わなくて、おじいさんも現役で鉄工所を営んでいました。

 

当時の彼は「ばあちゃんは昔から家事は得意じゃなくて、夕飯も俺の学生時代は頑張って作ってくれていたけど、もうほぼ毎日スーパーで買ってきた唐揚げだ」と言い、温かい手料理に飢えていて、一人暮らしをしていた私のアパートで一緒にご飯を食べる日が増えました。

 

付き合いだして1年ほど経って、彼のおじいさんおばあさんに初めて会うことになりました。

その前から、彼から「家がすごく汚い」とか「ばあちゃんがいつも同じ服を着ている」とか、「むすっとしていて会話が成り立たないことが多い」みたいなことをなんとなく聞いていたのですが、ちょっと家事が苦手で難しい性格なのかなぁくらいに思っていました。

今思えば、全部認知症の初期症状だったのね。

 

でも結婚の話はトントン拍子に進んで、おじいさんおばあさんと初めて会った5か月後には入籍して同居していました。

不安はあったけど、結婚して義親と同居することに不安がない人なんて多分いないし、彼とずっと一緒にいたかったし、大丈夫だと思ったんですよね。

 

近いうちに介護生活がやってくることは想像していたけど、介護に対して楽観的すぎました。

だって介護の具体的なしんどいことが全然イメージできないくらい無縁だったから。

 

一緒に暮らしだして、「いやいや、これ性格の問題じゃなくね?精神病か認知症ってやつじゃね?」って感じることが多々あって、やっとばあちゃんをもの忘れ外来に連れていくことができたのは、結婚してから半年後のことでした。

 

スーパーの唐揚げ、美味しいけど毎日はちょっと、ね。